ハーバードで拍手喝采を浴びた”正直な自己紹介”―輝かしい志がなくたって、大丈夫

2月も半ばとなりました。春から新生活が始まるという人たちは、少しずつ準備が始まる頃でしょうか。

ところで、「絶対にここがいい!」「ここに入って、やりたいことがあるんだ!」という思いを持って大学や会社に入る人は、どれくらいいるのでしょうか?おそらく、それほど多くないのではないかと思います。でも、それでいいと思うのです。

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ハーバードでの”正直な自己紹介”

ハーバード公衆衛生大学院で学ぶ日本人女性、林英恵さんの著書『それでもあきらめない ハーバードが私に教えてくれたこと』に、印象的なシーンがあります。

林さんがハーバードに入学して間もないころ、クラスで自己紹介タイムがあったそうです。学生たちがそれぞれ入学の動機やこれからやりたいことなどについて輝かしいスピーチをする中、ある女学生の番になりました。彼女はこう言ったそうです。

「みんな、すばらしい自己紹介をありがとう。正直に言います。私は今、自分のやりたいことがわかりません。

彼女は、出願時のエッセイも「何とか見つけた、興味の持てそうな分野」について書き、その後も「これが自分のやりたいことなんだ」と自分に言い聞かせてきたそうです。でも、「本当にそれがやりたいことなのか」と聞かれると、自信がない。

そんな彼女の正直な告白を、クラスが受け入れるシーンがとても印象的なのです。

「入学してからは、いろいろなところで自己紹介の機会があって、そのたびに自分が素晴らしく見えるように、過去の経験や将来の夢について話しました。でも、何度も何度も決まったセリフで自分を表現していくうちに、それが本当の自分じゃないような気がしてつらかった。

これから2年間つきあっていくみんなの前だから、正直にいいます。これからどうしていきたいか、何をやりたいか、今の私にはまったくわかりません。ハーバードに来れば、何かがつかめると思った。何かをつかみたいと思った。これが今、私がここにいる理由のすべてです」

一瞬、教室が静まりかえった。私たちは、予想外の「自己紹介」に顔を見合わせた。

だが、その後、意外なことが起きる。大きな拍手が起きたのだ。それは、彼女の勇気を讃える拍手だった。

「私も実は、将来どうしたいのか、まだ決まってない」

「僕もやりたいことを見つけるために、ここに来たんだ」

そんな声が、あちこちから聞こえてきた。

「何となく」でいい

やりたいことがあって、その信念に基づいて行動するのは素晴らしいことです。でも、だからといって、すべての行動に確固たる志が先立たなければならないわけではないのです。

林さんの著書には、「ハーバードの卒業生や在校生、のべ100人くらいに、どんな経緯で、なぜハーバードに来たのかを聞いたところ、ほとんどの人が口にしたのが、『何となく』という言葉だった」とも書かれています。

世界最高峰の学校に入ったエリートたちの入学理由が「何となく」というのは、意外な感じもしますが、結局のところすべての行動の動機は、詰まるところ「何となく」なのではないでしょうか。この「何となく」って、直感やそれまでの経験を総動員して導き出した答えってことだと思います。

だから、これから進む道ややろうとしていることについて、人に語れる理由がなくても大丈夫。「何となくいいかも」と思った方へ飛び込んで、色々なことを体験してみれば、その場所に来た理由はあとから見つかるかもしれません。

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