国と一体化しすぎる人たち

自分の国をほめる人がいたら、嬉しくなりますか?逆に自分の国を批判したり、問題点を指摘する人を目の前にしたら、腹が立ちますか?

以前、ある年配の女性と仕事上のつながりがありました。彼女は60代くらいで、日本の教育現場で学校長を務めている人でした。

彼女の学校にある掲示板には、海外メディアの記事が複数貼られていました。見るとそれは、東北の震災後に日本人がいかに秩序正しい行動を取ったかということや、日本が地割れした道路を数日のうちに復旧させたなどということを賞賛する外国メディアの報道でした。

子どもたちに「日本はこんなに素晴らしい国で、外国からもほめられている」ということを伝えるために、彼女が掲示しているのだそうです。

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国への批判を自分への批判と受け止める人

あるとき私は彼女の前で、「ドイツの教育は素晴らしいそうだから興味がある。いつかドイツに行ってみたい」ということを話しました。

ある本に、ドイツについて書かれていたのを読んだのです。そこには、「ドイツは留学生の受け入れに積極的で、彼らの学費も無料。資源の乏しいこの国では人材が貴重な資源で、外国人を含む豊かな多様性が、優れた人材やよりよい発想を生みだすと理解されているから」と書かれていました。

日本ではお世辞にも「多様性が重視されている」とは言えません。私は「日本でも多様性を重視した教育が実現されればいいと思う」といったことを話し、ドイツの教育や姿勢をほめました。

しかしそれを聞いた彼女は途端に機嫌を悪くして、「教育は日本が一番ですよ」「ドイツの○○は、日本を真似したんですよ?」などと、語気を荒らげました。まるで私が日本の問題点を指摘したことで、彼女自身が批判されたかのような反応でした。

自分と国を切り離そう

日本のいい点について言及すると「そうですよ、日本は本当に素晴らしいんですよ」となぜか彼女がふんぞり返り、問題点を指摘すると自分が批判されたかのように気を悪くする。そして「他国のあれは日本を真似した」「日本のこれは世界中で導入されてる」などと、関係ない事例を挙げ始める始末…。

他国民もみんなそういうところがあるのか、それとも日本人に特徴的なことなのかわかりませんが、私が見てきた限り、どうも私たち日本人にとって、自分の国との距離感をうまくとるのは難しいことのようです。

日本がほめられていると嬉しいというのは私にもあることですが、日本のメディアが「海外が絶賛」などという見出しで自画自賛をしているのを見ると、誇らしいというより何だか少し気恥ずかしくなってしまいます。

一方、日本が批判されたり、問題点を指摘されたりしていると、ああこの国にはそんな問題があったのかと思いますが、別に腹が立ったり傷ついたりはしません。

自分の国がほめられたり批判されたりするたびに、自身のことのように誇らしげに思ったり腹を立てたりするというのは、単純に「疲れそうだなあ」と思います。自国への賞賛も批判も、個人に対するものではないはずです。国と自分を切り離した方が、ストレスが減るんじゃないかなあと思います。

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