「ノマドはしんどい」は自然の摂理―太古の人類はフリーランスから会社員にシフトした?

最近「“旅をしながら生きる”ってカッコよさそうだけど、実はしんどい」ということについて何人かの方がTwitterで呟かれているのを見て、興味深く思っていました。

そんな中、偶然ある記事で「太古の昔に起こった、人間の移動生活から定住生活へのシフト」について知り、ものすごく面白くて色々考えさせられたので、思考の記録を残しておきます。

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「ノマドライフ」はしんどい

まずは「“旅をしながら生きる”ってカッコよさそうだけど、実はしんどい」ということについて。

前回の記事にも書いた「やぎろぐ」の八木仁平さんのツイートとブログ記事。

そしてドイツ在住ブロガーのwasabiさんによる下記のツイート。海外でノマドワーク生活をされた宮﨑大輔さんという方のブログ記事について言及されたものです。

こんな感じで、「ノマドワークライフを実践した方々」や「やろうと思えばそれが可能な働き方をしている方々」も、「旅しながら働き、暮らす」のはそんなに最高じゃないよ、と言っているのです。

そんな中で先日、ライフネット生命保険創始者の出口治明さんと、脳科学者の池谷裕二さんの対談記事を読んでいたら、人類の「移動」と「定住」に関する面白い事実を知りました。

「移動しながらの狩猟ライフ」に戻らなかった人類

読んだのは下記の記事です。

人工知能の価値と人間の価値は違う。人工知能が人のルールを離れて勝手に成長すると、たぶん人間社会に無価値な、意味のないものになると思うんです。

この記事、本題は「人工知能」や「シンギュラリティ」といったことで、その辺りの話もすごく面白いのですが、私がとても興味を引かれたのは後半で出てくる「人類の定住のはじまり」に関するお話です。

そのお話を要約するとこんな感じです。

  1. 人類はアフリカで誕生し、そこから世界中へ拡散。当初は移動しながら狩猟をする生活だった。(この頃は「一度大きな獲物が獲れたら一週間食べていける」みたいな生活で、一日あたりの働く時間はそれほど長くなかったと思われる。)
  2. ある時期に、人類はいっせいに定住を始めている。おそらく、地球規模の寒冷化で狩りができなくなり、栽培などをせざるを得なくなったため。
  3. その後、再び気温が上がり、狩りができるようになった。それなのに、人類は移動しながら狩りをする生活には戻らなかった。

人類がなぜ移動しながら狩りをする生活に戻らなかったのかについては、「不思議ですね」と話されており、対談の中で明確な答えが出されてはいません。ただ、「定住というスタイルが、人類の脳にフィットするんじゃないか」ということでした。

この記事を読んで私は、「人類の移動から定住へのシフトって、まるでノマドフリーランサーから会社員になったみたいじゃん!」と思いました。

狩猟時代の人類はノマドフリーランス?

記事では、狩猟時代の人類の働く時間は「一日1時間もなかったのではないか」とされています。「それはあまりに短いのでは」という気もしますが、狩猟時代の働く時間は、現代や農耕時代の人類よりもきっと短かったことでしょう。

「一日中、獲物を探していたんじゃないの?」と思いたくなりますが、現代の野生の動物を見てもわかるように、一度獲物を得てお腹いっぱいになったら、彼らは無用な狩りはしません。詳しいことは専門家に聞かないとわかりませんが、とりあえず狩りの時代の人類の働く時間は、後の時代よりも短かったと仮定しましょう。

働く時間が短いかわりに、狩猟生活時代の人類は、毎日獲物を手に入れられるとは限りません。彼らの日々の糧には相当、波があったはずです。

一日の平均労働時間は短くできる。ドカンと糧が入ればしばらく休んでもいい。実入りには波がある…。

これってフリーランス!しかも移動生活ってことは、ノマドフリーランサー!?

定住時代の人類は会社員のはじまり!?

一方、定住型になってからの人類はどうでしょう。

人類は定住をして農耕・牧畜を始めたわけですが、これらを実施するためには継続的・日常的な労働が必要です。狩りの時代の「短時間集中型」の労働に比べ、働く時間は長くなったことでしょう。農作物や動物を相手に「今日めちゃくちゃ働いたから一週間休むね」とかは無理です。

そのかわり、農耕や牧畜をしていれば、ある程度決まった間隔で糧を得ることが可能です。

定住、長時間労働、定期的な給料日…。

会社員だ。

…とまあ、こんな事を、ぐるぐると考えておりました。「人間の脳は定住に合っている」ということなので、「移動しながら生きるノマドライフはしんどい」というのは、もしかしたら自然の摂理なのかもしれません。

だけどここでもう一つ、疑問が浮かぶのです。それは「人間には定住が合っているというのが結論ならば、働き方も、フリーランスより会社員の方が、人類という種にとって優れてるということになるの?」ってことです。

太古の昔と今の決定的な違いは「お金」

これについては私の中でもまだ答えが出ていません。ただ、今考えているのは、「現代はかつての狩りの時代とは決定的に違う点があって、それは人類がお金を発明したことだ」ってことです。

狩りの時代は、一日あたりの働く時間が短いとはいえ、やはり大変だったと思うんです。仮にマンモスを10頭、一度に仕留めたって、保存技術もない当時では腐らせてしまいます。だから「ドカンと稼いで、しばらく休む」といっても、休めるのはせいぜい2~3日とか、次の狩りの当番が自分に回ってくるまでとかでしょうか。

でも人類は貨幣経済というものを作り出しました。それによって、余剰の糧を「蓄えること」や「投資に回すこと」ができるようになった。これはものすごい変化だと思うんです。

「貯蓄」と「投資」が一切できないとしたら…フリーランスで生きるのはとても困難でしょう。それだと定期的に収入のある会社員のような生き方をするしかなくなると思います。

移動生活と定住生活では、どうやら人類の脳の仕様上、多くの人にとって定住生活がいい模様。だけど「フリーランスか会社員か」という「稼ぎ方」の問題になってくると、私たちは「お金で暮らす」という新たなシステムの中に生きているので、脳の作りとか遺伝子とかとは別に、新たな考え方が必要になる…のかも。

なんて、結論なのか何なのかよくわからない結びになってしまいましたが、「移住と定住」から「フリーランスと会社員」まで、太古の昔と現代を行き来しながら考えてみたという話でした。

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