3DモデリングソフトMetasequoia(メタセコイア)を使って、クリスタで使える3D素材を自作するやり方を紹介します。
前回に続き、今回は可動部分のある3D素材を作成します。このやり方を用いると開閉できるドアやノートPCなどが作れます。
3Dオブジェクトを作成する
今回はドアのある部屋のようなオブジェクトを作成しました。このドアの部分を開閉できるオブジェクトを作りたいと思います。
ドアの部分は独立したオブジェクトにしておきます。今回は床と壁も別々のオブジェクトにしていますが、これらは分けなくてもOKです。
今回も3Dモデリングの基本的なやり方の説明は省略します。やり方がわからない人は、セルシスのメタセコイア入門講座を見て練習してみてください。

上記講座のわかりにくい点について本ブログの記事で補足しているので、こちらも参考にどうぞ。

部屋とドアのオブジェクトを作成したら、前回同様LightWave Object(.lwo)形式で保存します。
CLIP STUDIO MODELERで3Dデータのセットアップを行う
可動部分の設定を行うには、クリスタの開発元であるセルシス社の3DデータセットアップツールCLIP STUDIO MODELERを使う必要があります。
CLIP STUDIO MODELERは、3Dデータのセットアップ(可動部分やカメラアングルの設定など)を行ってクリスタで読み込める形にする機能を持つ無料ツールです(3Dモデリング機能もあり、そちらは有料)。

上記の製品ページからCLIP STUDIO MODELERの3Dセットアップ機能をダウンロードし、CLIP STUDIO MODELERを起動します。
起動するとこんな画面です。
メニューの[ファイル]>[新規]をクリックし、[作品の種類]で左端の「3Dオブジェクト」を選択して[3Dオブジェクトを作成]をクリックします。
3Dオブジェクトのセットアップ方法は下記の公式リファレンスガイドにまとまっているのですが、以下、簡単に解説します。
[オブジェクト構成]パネルで左から2つ目の[ルート]アイコンをクリックし、パネル左下にある[ファイルから追加]アイコンをクリックして先ほど保存したlwoファイルを読み込みます。
読み込み完了。
可動パーツの設定をする
下記のマニュアルページに書かれている通りに可動パーツの設定をします。
注意点として、そのまま回転の設定をしようとすると下記のように回転の軸がおかしくなることがあるので…
サブツールの[移動]>[パーツ原点移動]を使って、原点をドアの蝶番(ちょうつがい)部分に持っていきます。上からの視点にするとやりやすいです。
原点を移動したら、正しい軸で回転するようになりました。
パーツ名を編集する
前回の記事(可動部分のない3Dオブジェクトを作成する)で書いた通り、3Dオブジェクトのデータをそのままクリスタで読み込むとパーツの名称に変な数字がついてしまうことがあります。
そのような場合、CLIP STUDIO MODELERで[オブジェクト構成]パネルから[ルート]アイコンをクリックし、各パーツ名をダブルクリックすると、パーツ名の編集ができます。
クリスタの素材パレットに保存する
可動部分の設定ができたら、3Dオブジェクトを保存します。CLIP STUDIO MODELERでは、直接クリスタの素材フォルダに保存することができてとても便利です。
[ファイル]>[新規素材として登録]をクリックし、素材名を入力して任意の場所に保存します。
ちなみに「素材のイメージ」は、下記の方法でサムネイル画像を撮影することで設定できます。なしのままでも問題はありません。
クリスタで3Dオブジェクトを配置する
クリスタを起動すると先ほど作成した3Dオブジェクトが素材パネルに配置されているので、ドラッグ&ドロップで原稿上に配置します。
アングルを調整し、右端の紙飛行機(?)のようなアイコンをクリック後、スライダを動かして可動パーツであるドアを動かします。
可動パーツの調整ができたらレイヤーのLT変換を行って線画にします。
最後に不要な線の消去やトーンの調整などを行って仕上げたら、完了です!
3Dオブジェクトの扱いは慣れるまでは難しいかもしれませんが、何度かやってマスターすると非常に便利で作画の効率が上がるようになります。
特に主人公の部屋など、何度も登場する背景などは一度しっかりとした3Dオブジェクトを作っておけばかなりの時短になります。
この記事が皆さんの制作のお役に立てば幸いです!