これまでに制作したイラスト作品を整理したポートフォリオサイトを作りたいと思い、無料のポートフォリオサイト作成サービスを利用してみました。
試してみたのはTumblr(タンブラー)とBehance(べハンス)。どちらもポートフォリオサイトを手軽かつ無料で作成できるサービスとして有名です。
結論から書くと、両方試してみた結果…
- 使い勝手がいいが好みのデザインにできないBehance
- デザインを選べるが使い勝手が悪いTumblr
というのが私の印象です。要するにどちらも「これさえできたらいいのにな~」という残念な点があって、どちらがいいかを選ぶのは非常に難しいです…。
とはいえユーザー数の多さとサービスの完成度でポートフォリオサイト作成サービスを選ぶなら、現時点ではこの2つのどちらかでしょう。
本記事では、それぞれにどんな良い点・悪い点があるのかご紹介します。
※「Tumblrの残念なところ」について、解決法を教えて頂いたため追記しました!(2017/6/28)
Tumblrのいいところ
Tumblrの概要や使い方については、こちらのサイトがとてもわかりやすいです。
いいところは
たくさんの無料テーマの中から好きなデザインを選んで、自分好みの見た目のサイトが作れる
という点ですね。
Behanceでは見た目のカスタマイズがほとんどできないので、「デザインをカスタマイズしたい!」という方にはTumblr一択かもしれません。
Tumblrで作成した私のポートフォリオサイトはこんな感じです。適用するテーマによっては無限スクロール機能なんかもあって、本当に簡単におしゃれな見た目にできます。
Tumblrの残念なところ
Tumblrの残念な点は、イラストや写真の作品をアップした後に、「並べ替え」ができない点です。個人的にこれは非常に欲しい機能なので、ないと知ってとても残念でした…。
ポートフォリオにおいて、作品を見せる順序というのはとても重要だと思うのですが、Tumblrではアップした順に、最近のものほど上に、古いものほど下に作品が並んでしまいます。でも、常に最近の作品を一番上に配置したいとは限りませんよね。
一応、公式マニュアルに「掲載順序を変更する方法」という情報がありましたが、その内容は「各作品をアップした日時を手動で変更する」というもの。しかも「未来の日時を指定しておくことはできない」とのことなので、一番上に固定したい作品については、新たに他の作品をアップするたびに投稿日時を変更し直さないといけないというのです。め、面倒…。
これさえ改善されればTumblrはとてもいいと思うのですが、すごく残念!
Twitterで指定の作品を最上部に固定することができる “Elise” というTumblrのテーマがあることを教えて頂きました!(ありがとうございます!)このテーマでは、作品に”#pinned”というタグを設定することによって、ホーム画面の最上位に作品を固定できるようです。「好きな作品をトップに固定したい、かつ、どうしてもTumblrを使いたい!」という方には、テーマ”Elise”を使うというのが一つの選択肢です。
Behanceのいいところ
Adobe社によるサービスであるBehanceは、「世界中のクリエイターが使っている」とか「Behance上で仕事の受注もできる」といった特徴があります。
が、正直これらは「これから日本国内での営業活動をしていきたい」と思っている駆け出しの日本人クリエイターには、あまり関係ないでしょう。Behanceを通した仕事の受注というのも、正直めったにないと思います。
それよりも、Behanceのいい点は、Tumblrの欠点の裏返しになりますが「作品の並べ替えが自由にできる」という点です。
やり方は少しわかりにくいですが、ログインした状態で自分のアップした作品の上にカーソルを持って行くと右上に3本の線のアイコンが出てくるので、そのアイコンをドラッグすると好きな位置に作品を移動できます。直感的で簡単!
そのほか、作品をアップする際の操作も割と簡単です。
Behanceの残念なところ
①デザインのカスタマイズができない
Behanceの最大の残念な点は、デザインのカスタマイズができないところです。
こちらがBehanceの私のポートフォリオサイト。
どのクリエイターのポートフォリオも同様にこのような見た目です。Tumblrで作られた多彩なポートフォリオサイトに比べると、地味な印象になってしまいます。
絶対にデザインはカスタマイズしたい!という方は、Behanceは却下ということになってしまいますね。
②アップする作品の高さが632px以下の場合、ややめんどくさい
Behanceでは、作品をアップするごとに “Cover Image” というものを設定します。
このとき、アップした作品の高さが632px以上あればデフォルトでその作品がCover Imageになるのでいいのですが、作品の高さが632px以下の場合、632px以上の別の画像をCover Imageとして設定しなければなりません。
そのため、私は小さめのサイズの作品をアップする場合は、毎回高さを632px以上にリサイズしたものをCover Imageとして設定しています。この手間が少し面倒です。
Behanceに作品をアップしていく予定の場合は、制作する段階で高さを632px以上で作成するように習慣づけるのをおすすめします。「普段からある程度大きなサイズでしか作らないよ!」という方は心配いりません。
結局どうすればいいのか
以上のメリット・デメリットを踏まえた上で、次のどちらかを選ぶことになります。
①並べ替えできない(しにくい)のを我慢してTumblrを使う
Tumblrの欠点は作品を好きなように並べ替えられず、時系列の並びになってしまう点。
ただ、活躍中のイラストレーターさんの中には、作品を時系列でアップしていくスタイルのポートフォリオサイトを使っている方々も結構多いです。
例えば、藤田翔さん。
イラストレーター・キャラクターデザイナーの福田透さんのサイトも、時系列のブログ型ですね。
基本的に時系列で作品をアップしていき、古い作品を上の方に持ってきたいという場合は少し面倒ですが投稿日時を操作するという方法で順序を入れ替える、というやり方をTumblrで行うのが一つの手です。
「作品の並べ替えがしにくくても別にいいけど、サイトのデザインにはこだわりたい!」という人に向いています。
②カスタマイズ性の低さを我慢してBehanceを使う
上述したように、Behanceはデザインのカスタマイズ性という点ではTumblrより決定的に劣ります。
ただ、このシンプルさを活かすという手もあると思います。例えば、下記リンクはイラストレーター・高田ゲンキさんの、Behanceのポートフォリオサイトです。
ポートフォリオ全体のシンプルなデザインが、色とりどりで賑やかなゲンキさんの作品をうまく引き立たせています。
BehanceではTumblrのように凝ったデザインが使えない分、作品しか見るところがないわけで、余計な部分に目がいかず、作品が主役!という感じが出せます。
また、デザインをいじれるところがないので、クリエイター自身としても余計なカスタマイズに手を出さなくて済み、作品のアップ時の操作も簡単なため淡々と作品をアップしていけます。
「サイトの見た目で個性を出すより、作品自体で勝負したい」「作品のアップや並べ替えなどの動作が簡単にできることが大事!」という人には、Behanceが向いているでしょう。
まとめ
以上、無料ポートフォリオ作成サービスTumblrとBehanceを使用してみて思ったことでした。
私自身はどちらを使うかと言うと、本当にどちらも一長一短なので決めきれておらず…もうしばらくは両方とも並行して利用してみるつもりです。
しばらく利用したら、また改めてレビューしてみたいと思います!
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※追記(2017/07/02)
1か月ほど両方利用した結果、Tumblrを使うことに落ち着きました。以下の記事に理由を書いていますので、こちらの記事もぜひどうぞ!
【WEBポートフォリオ】TumblrとBehanceを比較した結果、私がTumblrを選んだ理由