在宅で仕事をする生活を始めて数年たち、今まで時折違和感を覚えつつも騙し騙し酷使してきた首と腰が、ついに悲鳴を上げるようになりました…。
そこで椅子を見直そうと思い、高級チェアも含めて色々検討する中で気になったのがゲーミングチェア。
実は数ヶ月前に私のパートナー(元ひどい腰痛持ち)がゲーミングチェア、それも最高峰のAKRacing Premiumを購入しており、彼はそのおかげか腰痛がかなり改善していました。
そこで彼に頼んでAKRacing Premiumを1週間ほど貸してもらい、使ってみました。さらに身長155センチの私がAKRacingのゲーミングチェアを買うならどれか?についても色々調べてみたので、ここにまとめておきます。
ゲーミングチェア「AKRacing Premium」とは
AKRacing(エーケーレーシング)は長年ゲーミングチェアを作っている会社です。元はレーシングチェアの製造を行っていたためこの社名になっているそうです。
現在購入できるAKRacingのゲーミングチェアには「Premium」から「Wolf」までざっくり5種類あります。それぞれの特徴を表にまとめてみました。(Premiumには標準タイプと低座面タイプがあるのですが、ここでは日本のAmazonで購入可能な低座面タイプについて紹介します)
ほかにもワンピースコラボモデルやら座椅子タイプやらあるのですが、ここではスタンダードなモデルに限定しています
Premium (低座面タイプ) |
Pro-X | OVERTURE | Nitro | Wolf | |
---|---|---|---|---|---|
価格 | 6万円ぐらい | 5.5万円ぐらい | 4.5万円ぐらい | 4.5万円ぐらい | 4万円ぐらい |
特徴 | 最上位モデル。チル ト(ロッキング)を 好きな角度で固定で きるのはこれだけ |
アームレストの位置 が自在な4Dアジャス タブルアームレスト がついている |
スタンダードなモデ ル |
スタンダードモデル その2。OVERTURE より全体的に少し小 さい |
日本向けモデルで座 面が低め。価格も安 め |
座り心地 | ゆったり | ゆったり | 普通 | 適度なホールド感 | 適度なホールド感 |
素材 | レザー | レザー | レザー | レザー | 布 |
最低座面高 | 46.5cm | 45cm | 44cm | 43cm | 43cm |
リンク | 公式サイト Amazon |
公式サイト Amazon |
公式サイト Amazon |
公式サイト Amazon |
公式サイト Amazon |
※価格は2020年12月時点でAmazonで買う場合の参考価格です。
※「最低座面高」は公式スペック表にある「座面を一番低くしたときの床から座面の底までの高さ」に座面クッションの厚さを足したものです。公式の書き方よりこちらの方がわかりやすいと思うのでこの書き方にしています
私が1週間使ってみた「Premium」は最上位のモデルです。ちなみにカラーバリエーションが3種類あるのですが、我が家にあるのはロゴが目立たず最もシンプルな「レイブン」というカラー(低座面タイプ)です。
後で知りましたが、この「AKRacing Premium」はトップユーチューバーのヒカキンさんも使っているそうです。
「AKRacing Premium」を1週間使ってみた感想
1週間使ってみて思ったのは、まず「どんな姿勢にも対応してくれる。姿勢の自由度がめちゃくちゃ高い」ということでした。
「AKRacing Premium」は背もたれが180度までリクライニング可能、アームレスト(肘置き)が上下・前後・左右に可動するなど、動かしたいと思うところは大体動きます。
特に「Premium」の大きな魅力と言えるのが「チルト固定機能」があることです。
前述したAKRacingの5種類のゲーミングチェアは、一応全てのモデルにチルト機能がついています。チルト機能とは座面が後ろに傾く機能で、チェアによっては「ロッキング機能」という名前のこともあります。
「後ろに倒れたい」と思ったときに、背もたれだけを倒すのではなく、座面ごと後傾するってことです。
このチルト機能、AKRacingの他のモデルでは「ロック・ロック解除の切り替え」ができるだけなのですが、唯一「Premium」のモデルだけは「好きな角度に傾けた状態での固定」ができます。ほかのモデルではできません。これができるのとできないのとでは大違いです。
Premium以外のモデルだと、好きな角度に傾けた状態でチルトをロックしても、座面が平らな位置に戻った上でチルト機能がロックされる(傾かなくなる)だけです。
さらに頭を預けるヘッドレストと腰を支えるランバーサポートも位置を調整できるので、長時間作業していてつらくなったときに、各パーツを調整することで「この姿勢をとりたい!」というベストポジションにできるのが普通のワークチェアにはない快適さでした。
良くなかったところ
座り心地に関してはかなり良かったのですが、その他良くない点もありました。
キャスターが重く動かすのが大変
「AKRacing Premium」はキャスターの動きが普通のワークチェアと比べて重いです。
椅子自体の重量が結構あるので、我が家の床がクッションフロアなせいもあって、「よいしょ!」と少し頑張らないと動かせません。
座っていないときに椅子だけを動かすのも結構大変で、椅子から離れる際に椅子を机の下に入れたり、座ろうとして引き出したりするときに片手では動かせず、いちいち両手で動かさないといけませんでした。
特に私は幅の広いデスクを「右が手書きスペース、左がPCスペース」という形で左右に分けて使っていて、しょっちゅう左右の移動をするので、キャスターはもっとスムーズに動く方がいいなと思いました。
キャスターを間違ってロックしやすい
キャスターにはもう一つ微妙な点があって、各キャスターには写真のようにロックするパーツがついているのですが、座っていると気づかないうちにこの部分に足を乗せてしまい、キャスターをロックしてしまうことがあります。
ロックされた状態でキャスターを動かそうとすると「ギギッ!」と変な音がして割とストレスです。このロック機能は無くてもよかったんじゃ…という気がします。
めっちゃ大きい
おそらく実物が部屋に届いたらまず思うことは「かなり大きい」ということです。
大きい分、身体が包み込まれるような感じで、さらに180度のリクライニングも可能なので、この上で寝たいという人にはしっかりとした広さがあっていいと思います。が、155センチの私にはやはり大きすぎるかもと思いました。
座って作業する分には快適だし、大きくて困ることは特にないのですが、いかんせん大きいので狭い部屋では存在感がすごいのと、zoomミーティングなどをやるときに黒くて巨大な背もたれがドーンと映り込むので、人によってはちょっと恥ずかしいかも…。
バーチャル背景でうまく消せないかな?と思ったけど、うまくいきませんでした…
白系の大きな布などをかければ少しは圧迫感が減るかもしれません。またゲーミングチェア用のカバーというのも、少ないのですが一応あるようです。
他の候補との比較
小柄な人がゲーミングチェアを検討するときに「Premium」以外で有力候補となるのが、AKRacingの別モデル「Wolf」と、ニトリのゲーミングチェア「ヘイデン」シリーズだと思います。
どちらも
- 小さめの作り
- 日本国内で購入しやすい
- 一定の品質が期待できる
という条件を満たしています。
①AKRacingの別モデル「Wolf」
AKRacingの「Wolf」は小柄な日本人向けに作られたモデルで、座面の高さが全モデルの中で最も低い約43センチまで下げられます。
全体的にやや小さめの作りなのと、このモデルだけ素材がレザーではなく布なのが特徴です。
そして値段もAKRacingのラインナップの中では安めの約4万円。6万円の「Premium」と比べると買いやすいです。
この「Wolf」も店頭で実物に座ってみてかなり良さそうだったのですが、Premiumを1週間使ってみたところ前述の「チルト固定機能」(=座面を後傾させて好きな角度でロックする機能)が思った以上に良く、この機能はPremiumモデルにしかないため、やっぱり買うなら「Premium」がいいなと思いました。
Premiumが大きすぎるのに対して「Wolf」のサイズ感はちょうど良い感じだったので、チルト固定機能さえあればかなり有力候補だったのですが…。
あと、「Wolf」は一番地味なカラーでも「黒✕グレー」でロゴが目立つデザインであり、どうしても見た目が気に入らないというのもネックでした…。
②ニトリのゲーミングチェア「ヘイデン」
ニトリも「ヘイデン」というゲーミングチェアを取り扱っており、「ヘイデン2」と「ヘイデンPRO2」の2タイプがあります。
2つはほぼ同じ仕様のようですが、「ヘイデンPRO2」には座面の下から引き出せる形のフットレストがついています。
フットレストのない「ヘイデン2」なら約2万円と、ゲーミングチェアとしてはかなりお手頃。「ヘイデンPRO2」でも約4万円で買えます。
こちらも店頭で試したところ、小さめの作りで座り心地はかなり良かったです。
しかし座面の傾きを好きな角度でロックする「チルト固定機能」はやはりこちらにもありません。(PROモデルにも無し)
さらに致命的な欠点が、重さがかかるとキャスターがロックされる仕様になっている点です。これはつまり座った状態で移動ができないということです。実際に店頭でも試してみましたが、できませんでした。この機能いる…?
また、色が派手な「ブラック&レッド」しかないのも残念な点でした。
結論:機能重視ならAKRacing Premiumはとてもおすすめ
というわけでエーケーレーシングの「Premium」を1週間試し、他のゲーミングチェアも含めて検討した結論ですが、買うならやっぱりエーケーレーシングの「Premium」かなと思いました。
ほかのチェアにはなかなかない「チルト固定機能」があり、機能性が高くどんな姿勢でもしっかり支えてくれるという点で、どうせ数万出して買うならやはり最高峰のこれかなという感じです。黒一色の落ち着いたカラーがあるのも嬉しいです。
ただやはり大きすぎるのが気になる人は多いと思うので、部屋が狭くて大きな椅子を置くのはちょっと…という場合は、一回り小さいエーケーレーシングの「Wolf」かニトリの「ヘイデン」もありかなと思います。
ただしどちらも「チルト固定機能」がなく機能面では劣ることと、ニトリの「ヘイデン」は座りながらのキャスターの移動ができないという点に注意が必要です。
どこで買う?
エーケーレーシングのゲーミングチェアをもし買うとしたらどこで買うかということですが、実店舗ならヨドバシカメラやビックカメラ、ネットショップならAmazonやヨドバシ.comなどで買うことができます。
エーケーレーシングの公式サイトには取り扱い店舗一覧があり、「どのお店にどのモデルの、どのカラーの商品があるか」まで詳しく載っています。
このリストを見て、お近くの店舗に行って一度は実物を見てみるのがおすすめです。
ちなみに我が家にある「Premium」はAmazonで買いました。傷などもなく良い状態でした。
見た目のおしゃれさを重視するならイトーキもあり
私は機能性重視でゲーミングチェアを探しましたが、多少機能が劣っても見た目のおしゃれさを重視したいという場合は、他の選択肢も出てきます。
今ある商品の中で一番デザインが良いのは、オフィス家具大手のイトーキが出している「X FOCUS CHAIR(クロスフォーカス チェア)」シリーズだと思います。
こちらがイトーキが2019年7月に発売した「X FOCUS CHAIR」。素材はファブリック(布)です。ブラウンやチャコールなど、落ち着いたカラーのラインナップが揃っています。
イトーキ ゲーミングチェア オフィスチェア クロスフォーカスチェア X FOCUS CHAIR 可動肘付 チャコール YES-S-GR-AEL
そしてこちらが2020年2月に発売された「X FOCUS CHAIR a(クロスフォーカスチェア エー)」。こちらはレザー素材になっており、価格は前モデルより少し安くなっています。
イトーキ ゲーミングチェア オフィスチェア クロスフォーカスチェアa X FOCUS CHAIR a 可動肘付 ベージュ/グレー YES-A-BE-AEL
プレスリリースによると、「張地にPVCレザーを採用することで、価格の見直しを実現した」とのこと。
ファブリック(布)よりレザーの方が拭き掃除ができるからいいという人もいるんじゃないかな?
「ゲーミングチェアはデザインが好みじゃないものが多いけど、これなら部屋に置けそう」という方も多いのではないでしょうか。
ただイトーキがゲーミングチェアを作り始めたのは2019年とつい最近のことなので、どうしてもクオリティでは長年ゲーミングチェアを作ってきたメーカーに劣るのでは?とも思えます。
なので私は買うとしたらエーケーレーシングのチェアかなと思いますが、見た目のおしゃれさを重視したい!という方には、イトーキのゲーミングチェアはかなり良い候補になるのではないでしょうか。
ちなみにイトーキは東京・大阪・福岡などにショールームがありますが、来店には事前予約が必要な上に、土日祝は休館日となっておりかなり行きにくいです…。
まとめ:小柄な人にもゲーミングチェアはおすすめ
最近どんどん在宅ワークが広がっていますが、自宅での仕事用にゲーミングチェアを導入するという人も今後増えると思います。
これまでのゲーミングチェアはサイズが大きいものが多かったので、小柄な人はなかなか手を出しにくかったですが、最近では小さめのサイズのものも選べるようになりました。
また、イトーキの商品のようにこれまでなかったようなおしゃれなデザインのものも出始めています。
「ゲーミングチェアは男性が使うもの」というイメージを持っていた人も多いかもしれませんが、長時間の集中からリラックスまであらゆる姿勢に対応して身体を支えてくれるゲーミングチェアは、女性にとっても非常にいいアイテムです。
普通のチェアと比べると値段が張るのがネックですが、実際に快適さを体験してみて、これからゲーミングチェアのユーザーは男女問わずどんどん増えていくのではないかと思いました。